私たち夫婦はいわゆる出来ちゃった結婚で、結婚した時にはかなりお腹が目立つようになっていました。このままウェディングドレスを着てもお腹が目立ちますし、スタイルが悪いとせっかくのドレスが台無しになってしまいます。それに、すぐに妊婦だということがわかる状態で結婚式を挙げるのも恥ずかしいので、挙式はしないで、親戚や知人には結婚の報告だけを書面で行って済ませることにしました。結婚式ができないのは残念だと思いましたが、それよりも新居を決めて引越しの手続きをしたり、出産の準備をするのに精一杯で、新婚生活を楽しむゆとりなど全くないままに、毎日があわただしく過ぎて行きました。子どもが生まれてからも同じような状態は続き、子どもが小さい間は、とにかく生活するのがやっとで、自分の時間など少しもありませんでした。
そんな子どもも大学に入学して親元から離れ、ようやく夫婦の時間が持てるようになりました。そんなある日、主人がフォトウェディングをしようと提案してくれたのです。結婚式ができなかった私に対する、主人の精一杯の思いやりだったのでしょう。花嫁姿をキレイだと言ってもらえて、思わず涙がこぼれてしまいました。一生のいい思い出ができて良かったです。
